「生活の知恵」カテゴリーアーカイブ

ヘム鉄と非ヘム鉄の違い


鉄分のサプリを見ると “ヘム鉄” と書かれているものもあれば、 “鉄” と書かれているものもあります。 これらはどこが違うのでしょうか。 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書をたよりにまとめました。

言葉の意味

食品中の鉄の形態によって “ヘム鉄” と “非ヘム鉄” に分けられます。

ヘム鉄
炭素(たんぱく質)と結合している鉄(Fe2+)です。
牛・豚・鶏などのレバー、牛ももなどの赤身の肉、しじみ、あさり、魚などに含まれます。
非ヘム鉄
炭素(たんぱく質)と結合していない鉄(Fe3+)です。
ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆、海草などに含まれます。

吸収の特徴

食品から摂取された鉄は 十二指腸から空腸上部において吸収されます。 しかし、 その過程でヘム鉄と非ヘム鉄に違いがあります。

ヘム鉄の吸収
そのままの形で腸管上皮細胞に吸収され、細胞内でヘムオキシゲナーゼにより2価鉄イオン(Fe2+)とポルフィリンに分解される。
非ヘム鉄の吸収
3価鉄イオン(Fe3+)の形態ではほとんど吸収されない。 Fe3+ は体内で還元されて Fe2+ になってから吸収される。

いずれも Fe2+ になるということがわかりました。 吸収される場所は 腸管上皮細胞 という場所です。 ヘム鉄は、そのままの形で吸収されることもあり、 非ヘム鉄よりも吸収率が高いです。 食品によって違いがありますが、 ヘム鉄は非ヘム鉄の2倍以上吸収率が高いです。

報告書には非ヘム鉄の吸収に関して次のように書かれています。

Fe2+ は 2価金属輸送担体1 と結合して吸収されるので、この吸収は亜鉛、銅と競合する。 鉄の吸収率は、また、同時に摂取する食物成分により大きく変わる。 たんぱく質、アミノ酸、アスコルビン酸(ビタミン C)は鉄吸収を促進し、フィチン酸、タンニン、シュウ酸などは抑制する。鉄代謝には 恒常性維持機構が強く働いており、体内鉄が減少すると、吸収率は高く、同時に排泄量は少なくなる。

体内で吸収できるスピードには限界があり、 非ヘム鉄、亜鉛、銅を一緒に処理するため、 銅をたくさん食べればその分非ヘム鉄の吸収が抑えられるということです。

そして、 非ヘム鉄の吸収に役立つものと邪魔になるものがあるということでした。

非ヘム鉄の吸収に役立つものと邪魔になるもの
役立つもの 邪魔になるもの
たんぱく質、 アミノ酸、 アスコルビン酸(ビタミンC) フィチン酸、 タンニン、 シュウ酸

体内の状況が鉄の吸収に影響を与えることがあります。 当然ですが、 体内の鉄が減少すると吸収率は高くなり、排泄量が少なくなります。


会議でしゃべらない人の巻き込み方


会議ではしゃべらない人がよく出てきます(全員意見を言う職場はとてもいい職場だと思います)。 そういった人に意見を言ってもらう方法をいくつか紹介します。 (アイスブレイクは全体的なものなので省きます。)

前提

会議の目的を明確にするなど、基本的な準備はできているものとします。 何人かは発言しているのだけど、1、2人ほど発言しない人がいる状況を想定します。

(全然まともな意見が出てこないという状況は、会議の準備含む進行に問題があることが多いです。)

なぜ意見を言ってほしいのか

意見を言わない人がいるとどんなことが起きるでしょうか。

  • 後から「本当はXXがいいと思っていたのに」と言われる。
  • 全員の合意がとれないのでどこかに歪みが出てきて最適化が進まない。

簡単にいうと、会議の存在意義が崩れるということだと私は考えています。

まずは会議の人数を適正にしましょう。 一般的に10人を超えると全員が意見を言うのは難しくなってきます。 私は過去の経験から、6人程度が最適だと考えます。 会議の形式や内容に合わせて考えてみてください。

それではここから 全員に意見を言ってもらうために、意見を言わない人を巻き込むためにどのような方法があるのかを書いていきます。

方法

役割を割り当てる

「実は次の会議で Aさんには XXXといった視点から意見を言っていただきたいのでご参加をおねがいします。」

立場によって言い方は異なりますが、上のようにして”なにをしてほしいのか”をあらかじめ伝えておきます。 このようにすると 意見の出し方、 会議の見方がわかりやすくなり、 意見を言いやすくします。

事前に考えを聞いておく

事前にそのメンバに「XXについてどう思いますか?」と個別に聞いておきます。 すると、もし会議で意見が出なくても「AさんはXYZという考えをお持ちでしたよね。」という切り口で話を広げていけます。

事前課題を与える

なにもないところで考えても拠り所がないので何も出てきません。そこで事前課題を与えます。「XXについて2つ、3つ解決法を考えてきてください。」といった課題を出しておきます。 会議の中では事前に用意した意見をもとに話を深めていくことができます。

事前に資料を読んで準備をするのは当たり前じゃないか、と思うこともありますが、言われないと一切準備をしない人もいるものです。

少人数ワークショップ

人数が多いときに特に有効です。 3人1組にして(または各個人単位で)ポストイットに意見を書いてもらいます。 こうすると、全体の中ではなかなか発言できない人でも意外と意見を書いたりします。 書いてもらったポストイットはホワイトボードに貼るなどして 議論を深めていきます。 ツールの名前でいうと、親和図というのにつながっていきます。

それぞれの意見(または選抜もしくはカテゴライズされた意見)について議論を深めることができるので、なかなか話さない人からも「これってどういうことですか?」というように話を引き出すきっかけを作れます。

ポストイットに書く方法は 3人1組 で話しながら意見を書いていくスタイルもありますし、 各個人で書く時間を作るスタイルもあります。

専門領域のことを聞いてみる

いろんな部署の人が集まっているとします。 そういった場合に「Aさん これはXXXの観点からみるとどうでしょうか。」と聞いてみます。 答えが得られたら「ありがとうございます。なかなかこの専門知識のある人がいないので助かりました」と伝えます。 こうやって参加しない人を巻き込んでいきます。

使える会議の種類は限られてくるかもしれません。

ルールにする

「全員発言する」というルールを作ります。 言えと言われて言えるものではないので効果は薄いと思っているのですが、 ルールにすることで「自分も言わなきゃ」という意識を持たせることができます。

次回に期待

手を尽くしても発言が出てこなかった場合、その人に対して「ちょっと会議での様子が変だったのですが何かありましたか?」と聞いてみます。 言い方に気をつけないと危ないのですが、このようにして会議で発言してほしいという気持ちをソフトに伝える方法です。