中東を理解する人になろう 『シュメル神話の世界』


『シュメル神話の世界 ― 粘土板に刻まれた最古のロマン(中公新書)』(岡田 明子, 小林 登志子)
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シュメル・・・これを見て何を思い出すだろうか。私は、Age of Empiresが頭に浮かんだ。

そう、あれは中学生の頃。タダで手に入れた Age of Empires を必死にプレイしていた。 それとこれとどんな関係があるのかということなんだが、そのゲームの中に、「シュメール人」が出てきていたのである。

この本に関するところで言えば、「アッカド人」も出てきていた。

さてその「シュメール人」と「アッカド人」とはなんなのかというと、文字・文学・王政・司祭・教育制度・医学・天文学・高層建築・運河・造船・集約農業・冶金術・商工業・貿易・法制と、現代文明にも匹敵するありとあらゆるものを作ったあのメソポタミア文明の人々である。

そんなメソポタミア文明に伝わる神話がぎっしり詰まった一冊。

また、シュメルの神話には、旧約聖書日本書紀等、他文化との共通点も多く見られる。シュメルから、世界に伝わっていったのだろうか。有名なところでは、「エデンの園」と「ノアの箱舟」だろう。実は、今の「エデンの園」でははっきりとわからないエデンという場所についても、シュメル神話を通してしまえばある程度見当がつく。著者の詳細な説明が、我々の想像を膨らませる。

他の文化との対比を含め、時代背景や文化、当時の精神論まで詳細に説明されているのが本書。シュメル文明の中に図書館のようなものがあり、そこに多くの文献が収められていたというのには驚いた。神話の中には、大人向けというのか、非子ども向けのものまである。日本の文化にも共通する点があり、日本のルーツを調べてみたくもなったところである。

メソポタミア文明、としてしか知らない人には、メソポタミア文明の深さを教えてくれる本になるだろう。中学生のときにこの本と出会っていたかったと思えた一冊です。学校でも四大文明について学んでいた頃だったから。

歴史を知ることは、今、そこで暮らす人を理解する足がかりとなるはず。

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