美容と健康に欠かせないビタミンCについて調べました。 数値などは厚生労働省発表の「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書の値を使用しています。
機能
- 皮膚や細胞のコラーゲンの合成に必須。 欠乏するとコラーゲン合成ができずに血管がもろくなって出欠しやすくなる(壊血病)。
- ビタミンEと協力して活性酸素を消去して、細胞を保護する。
壊血病についても簡単にまとめておきます。
壊血病
ビタミンCの欠乏症です。 昔航海中に壊血病で命を落とすこともあったそうです。
症状
疲労倦怠、いらいらする、顔色が悪い、皮下や歯茎からの出血、貧血、筋肉減少、心臓障害、呼吸困難などがあります。
過剰摂取のリスク
報告書には次のようにあります。
通常の食品を摂取している人で、過剰摂取による健康障害が発現したという報告は見当たらない。
多量に摂った場合でも、吸収率が低下して、また排泄されることから、ビタミンCは安全と考えられています。 しかし、リスクが全くないわけではありません。
腎機能障害を有する者が数 g のビタミン C を摂取した条件では腎シュウ酸結石のリスクが高まることが示されている。 ビタミン C の過剰摂取による影響として最も一般的なものは、吐き気、下痢、腹痛といった胃腸への影響である。 1 日に 3~4 g のアスコルビン酸を与えて下痢を認めた報告がある。
ビタミン C の摂取量と吸収や体外排泄を検討した研究から総合的に考えると、通常の食品から摂取することを基本とし、いわゆるサプリメント類から 1 g/日以上の量を摂取することは推奨できない。
過剰摂取のリスクは少ないといえますが、 できることなら適量に抑えましょう。
摂取量の目安
厚生労働省の報告書から抜粋しました。 成人だと 100mg が推奨量です。
1歳以上の摂取基準(男女共通) (100mg/日)
年齢(歳) |
必要量 |
推奨量 |
1, 2 |
30 |
35 |
3-5 |
35 |
40 |
6, 7 |
45 |
55 |
8, 9 |
50 |
60 |
10, 11 |
60 |
75 |
12-14 |
80 |
95 |
15- |
85 |
100 |
妊婦・授乳婦の場合には下記の必要量・推奨量を追加して考えてください。
妊婦・授乳婦の付加量 (mg/日)
|
必要量 |
推奨量 |
妊婦 |
10 |
10 |
授乳婦 |
40 |
45 |
また、受動喫煙含む喫煙者はこれより多くのビタミンCが必要だとされています。
必要量・推奨量がわかったところで ビタミンC サプリメントを比較した では ビタミンCのサプリメントを比較しています。
鉄分のサプリを見ると “ヘム鉄” と書かれているものもあれば、 “鉄” と書かれているものもあります。 これらはどこが違うのでしょうか。 「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書をたよりにまとめました。
言葉の意味
食品中の鉄の形態によって “ヘム鉄” と “非ヘム鉄” に分けられます。
- ヘム鉄
- 炭素(たんぱく質)と結合している鉄(Fe2+)です。
- 牛・豚・鶏などのレバー、牛ももなどの赤身の肉、しじみ、あさり、魚などに含まれます。
- 非ヘム鉄
- 炭素(たんぱく質)と結合していない鉄(Fe3+)です。
- ほうれん草、小松菜、ひじき、大豆、海草などに含まれます。
吸収の特徴
食品から摂取された鉄は 十二指腸から空腸上部において吸収されます。 しかし、 その過程でヘム鉄と非ヘム鉄に違いがあります。
- ヘム鉄の吸収
- そのままの形で腸管上皮細胞に吸収され、細胞内でヘムオキシゲナーゼにより2価鉄イオン(Fe2+)とポルフィリンに分解される。
- 非ヘム鉄の吸収
- 3価鉄イオン(Fe3+)の形態ではほとんど吸収されない。 Fe3+ は体内で還元されて Fe2+ になってから吸収される。
いずれも Fe2+ になるということがわかりました。 吸収される場所は 腸管上皮細胞 という場所です。 ヘム鉄は、そのままの形で吸収されることもあり、 非ヘム鉄よりも吸収率が高いです。 食品によって違いがありますが、 ヘム鉄は非ヘム鉄の2倍以上吸収率が高いです。
報告書には非ヘム鉄の吸収に関して次のように書かれています。
Fe2+ は 2価金属輸送担体1 と結合して吸収されるので、この吸収は亜鉛、銅と競合する。 鉄の吸収率は、また、同時に摂取する食物成分により大きく変わる。 たんぱく質、アミノ酸、アスコルビン酸(ビタミン C)は鉄吸収を促進し、フィチン酸、タンニン、シュウ酸などは抑制する。鉄代謝には
恒常性維持機構が強く働いており、体内鉄が減少すると、吸収率は高く、同時に排泄量は少なくなる。
体内で吸収できるスピードには限界があり、 非ヘム鉄、亜鉛、銅を一緒に処理するため、 銅をたくさん食べればその分非ヘム鉄の吸収が抑えられるということです。
そして、 非ヘム鉄の吸収に役立つものと邪魔になるものがあるということでした。
非ヘム鉄の吸収に役立つものと邪魔になるもの
役立つもの |
邪魔になるもの |
たんぱく質、 アミノ酸、 アスコルビン酸(ビタミンC) |
フィチン酸、 タンニン、 シュウ酸 |
体内の状況が鉄の吸収に影響を与えることがあります。 当然ですが、 体内の鉄が減少すると吸収率は高くなり、排泄量が少なくなります。
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