対人関係強化の手引き 『EQ入門 – 対人能力の磨き方』


『EQ入門 - 対人能力の磨き方(日経文庫)』(高山 直)
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仕事ができる人EQ が高い、らしい。EQ とは、”心の IQ“, Emotionally Intelligence Quotient のこと。ある調査によると、この EQ が、仕事のデキに相関しているらしい。そして、IQ はあまり関係ないとか。

今まで対人関係を苦手としてきた私は早速読むことに。小生、”IQ は高いが EQ は低い” と、よく言われてきた。

対人関係をなんとかしたいと思う気持ちもあり、一気に読んでしまった。一番役に立つと思えたのは、P.141 から。もちろん、P.141 以前の部分を読んだからこそそう思うのだが。

そこには、私に足りない、具体的な“言葉が書かれていた。その“言葉”というのは、明日からでも使えるような、そんなフレーズだ。ほめ言葉も含めてたくさん書いてあった、短くてサッと使える言葉が。その意味で、他の人間関係話し方の本とは一線を画している。

以前、同じ職場に、60代の役員経験者が、契約社員として入ってきたことがある。その人は、今まで数々の役職を経験してきただけあって、人の育て方・使い方にものすごく慣れていた。もちろん、人をほめる技術にも優れていた。

この本の、P.141 以降に書かれていたことは、まさにその60代役員経験者が使っていた手法そのものだと思った。当時は、立場が違っていたこともあり、その人の技をそのまま使うことは難しく、どうしようかと悩んだこともあった。どんな“言葉”を使えばよいのか、そこが対人関係の一番のポイントだと思っていたし、悩みどころでもあった。そんな語彙力の少ない私にとって、この本は、果てなく続く迷路から脱出するためのバイブルだった。

上記の話とは別になりますが、私はこの本に書いてった、あることを、今日から実践します。今まで、まったくと言っていいほど気にしていなかったことなので……。必ず、なんらかの効果が出るはずです。結構簡単にできる。こんなことにも気づかなかった私はまだまだですね。

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予想以上のエコポイント でも、大丈夫?


エコポイント制度がスタートしました。朝刊総合面、夕刊総合・ビジネス面からです。

無駄なものを買わないほうがエコではないのか、という気持ちを抑えつつ、記事を読んでいきましょう。環境省経済産業省総務省が行う政策で、省エネ性能の高い冷蔵庫テレビエアコンに限り、国が3000-36000円分のポイントをつけるというもの。ポイントってことは、その場で値引きしてもらえるわけではないんだよね?

果たして、これってうまく機能するんだろうかと、朝刊の記事を見て思った。だって、ポイントといってもカードがあるわけではなく、領収書等をとっておいて、あとから申請するという受け取り方。それもまだ未確定だし、ポイントがなにに使えるのかも未確定。そんな見切り発車で大丈夫か、後で面倒なことになったりしないかと思ってしまった。領収書なくした!って人が出てきたら、家電量販店はその記録をいちいち探さないといけないんだろ。まぁ、購入者には関係ないか。

夕刊を見ると、このエコポイントがうまく機能していることがわかる。記事に載っているのは48歳の女性。若い人は、新婚でもない限り手を出しにくいか? 需要が刺激されて、なによりです。

国がやっているというだけあって、裏切られる心配もないし、18万が実質12万になるとなったら買う人も多いよな。ただ、買う人が多くなるのはいいのだが、家電量販店独自の割引が絡んでいるところに少し危険を感じる。

価格が下がりすぎていないかと。家電量販店は、エコポイントが始まる前は、買い控えを防ぐために、独自の値引きを実施していた。その値引きを、エコポイントがスタートした後も実施しているという。エコポイント+独自値引きで価格崩壊。消費者はうれしいだろうけど、下げすぎると後で上げられなくならないか? 適正な価格というものが存在するわけで。買わない人はエコポイントが始まろうとも買わないだろうし。

そんなこんなで、2010年3月迄の購入でOKとなっているエコポイントだが、上向きの消費者心理はそれまで続かないだろうと見ているのです。先行指数が上向きだからいいのか? 政府はどれくらいの効果を見込んでいたんだ?

46型テレビが店頭価格から実質3割安くなったところでどれくらいの人が買うのだろうか。もっと小さくて安いので我慢して、消費電力抑えたらもっとエコじゃないか? 置き場所に困らないか? 地上デジタルになるといっても、今の薄型テレビなんて地上デジタルが始まる頃にはもっともっと安くなっているんじゃないのか? と、今飛びついたら後悔するんじゃないかと思っています。エコポイントを使っても、後払いでポイントが入る上、あくまで財やサービスとの交換だから、実際に出て行く金額は変わらない。


大学の物理の基礎の基礎の基礎 『スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ』


『スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ(マセマ)』(馬場 敬之, 高杉 豊)
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いままで物理をやっていなかった人でも無理なく読める本を見つけました。私自身が大学で物理学をあまりやっていなかったというのがそもそものはじまりなのですが……。

見るからに内容の薄そうな本です(笑)。とはいえ、高校でやった物理よりすこしだけ高度になった程度なので、ひとりでスラスラ読めてしまいます。そういう意味では、『数学読本』と同じスタイルの本です。この1冊を読んでしまえば、あとはなんでも読めると思います。解析力学はちょっとハードルが高いけど。セットで演習用の本もでているので、そこまでやればなんでもできますね。教養として読んでおくのもいいと思います。

内容としては、講義3(3章)までが高校のおさらい。講義4からは、ちょっとだけ発展。講義6からが質点系の力学剛体の力学といった、高校ではほとんどやらない内容。高校の物理に比べると、本の書き方など、若干違和感を覚えるかもしれませんが、それは2日で消えるでしょう(笑)。 慣れてしまえば後は楽です。

この本を読むにあたって必要な知識は、高校でやる力学の基礎と、高校の微積分の理論(計算はできなくてもOK)。それだけあれば読めてしまいます。“『数学読本』と同じスタイル”と書いたのも理由はそこにあります。読者の視点に立って書かれていることと、必要なものは随時解説されていて知識不足で読めないということがないことが、この本を読みやすく、物理をわかりやすくしているところです。

『スバラシク実力がつくと評判の力学キャンパス・ゼミ(マセマ)』(馬場 敬之, 高杉 豊)
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懸念点は、理論の本なので、これだけで実力をつけるというのが難しいところ。演習問題が少ないんです。もちろん著者もそのことには気づいていて、演習用の本もセットで出しています (『スバラシク実力がつくと評判の[演習]力学キャンパス・ゼミ(マセマ)』(馬場 敬之, 高杉 豊)) 。


ガソリンの上昇はいつまで続くか


ガソリンのスポット価格が上昇した。景気回復期待から、買いが入っているんですね。

日本はゴールデンウィーク、そして1000円高速道路と、ガソリンの上がりそうな材料は揃っている。

気になるのは、このガソリン上昇がいつまで続くかだ。飛行機は運行スケジュールを見直した。不況の正で、外出そのものを控える人も多いだろう。加えて豚インフルエンザ。今は、自動車もあまり売れない時代だ。GWは「今しかない」と思った人たちが多かっただろうけど。一般的なガソリン自動車よに代わって、ハイブリッドが勢力を拡大している。

ほかにオイルを使うものといえば、プラスチックやトラック、船舶だろうか。

トラックは、記事に不振と書いてある。製造業は、工場の統廃合が相次いでいるので、今後の伸びには限界がありそうだ。船舶はあまり動かないだろう。プラスチックは今あまり強くなかったと思う。

需要としては、ちょっと季節に偏りがあるものの、引越しがある。あとは、ヤマトの始めた修理サービス。軌道に乗れば効果は高いだろうが、電子機器ってそんなに壊れるものだろうか。

というわけで、オイルは伸び悩み。でも、いままであれだけの従業員を抱えてきたので、このままではマイナスに傾くはず。本当に、体力勝負ですね。


読書感想文の書き方 『原稿用紙10枚を書く力』


『原稿用紙10枚を書く力(だいわ文庫)』(齋藤 孝)
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読書感想文には書き方がある

読書感想文と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。私は、小学校のときのつらい思い出がよみがえってくるのだが……。

特に、小説に興味を持たなかった私にとって、読書感想文は地獄だった。本に書かれているできごとは、私とは関係のない他人事、そう思っていた私に感想などあるわけもなく……。こと私の弟に至っては、やることが大胆で、「多くの武将が争う戦国時代の世の中で、一番印象に残ったできごとはなんですか?」という小学校社会化テスト裏面の記入欄に「ない」と一言。

それはともかく、私(及び弟)ほど酷くなくても、読書感想文に苦労した人は多いはずだ。その読書感想文、一番のポイントは、味わって読まないことだ。

私は、なにか印象に残るはずだと、何度も本を読んでいたが、そのやり方自体が間違っていたのだ。

この本を読んで、いかに自分が無駄なことをしていたかを思い知らされた。それと同時に、読書感想文なんて難しくない、と思うようになった。そして、この本を小学生になる前に読んでおきたかったと思った(笑)

この書き方さえつかめば、映画でも何でも感想文はお手のもの。

小説の読み方

読書感想文が楽に書けるようになった私だが、それだけでは世の中楽しくならない。そう、小説が楽しめないからだ。

しかし、小説にも読み方というのある。この読み方だと、芥川龍之介や夏目漱石、ドストエフスキー等の作品までもが明瞭にわかるそうだ。

私もためしにやってみた。それが以前の記事「ノーと私」だ。なるほど、確かにこの読み方なら、全体の構成から全体の中における各部分の重要性まではっきりと掴み取ることができる。今まで、小説を読むことが、こんなにも分析的で思考の求められるアカデミックな所業だとは思いもしなかった。もう、小説を「おもしろかった」「つまらなかった」では終わらせない

ノーと私」を読んだときに感じたことだが、この読み方は作者の考え方を探るような、そんな読み方でもある。

“書く”ことの意義

“書く”ことで、それは作品になる。
“書く”ことで、自分のものとして残る。
そして、相手に影響を与える。

“書く”ということは、我々が考えている以上に大きな意味を持つ。これは「読ませるブログ – 心をつかむ文章術」にも書いてあったことだ。ここでは、“書く”ことによる個人の内部的変化について、私の体験を書くことにする。

この本を読んでからというもの、書くことによる知識の定着を、身をもって体感している。まさに(本に)書いてあった通りだ。(2009年)、“日経新聞を読もう”というブログを書いている。毎日必ず、日経新聞の感想を書くというものだ。経済に詳しいわけでもないので、わからないことは多い。しかしその中でも、考えて書こうとする。

新聞といえども文章。記者がどのようにして書いたのか、その記事からなにがいえるのか、考えながらブログを書いている。信じられないかもしれないが、考えながら書くことで、私の頭は整理され、書く前には思いつかなかったアイディアが生まれる。書いた後には一皮向けているのだ。

この“書く”という知的な作業は、確実に私の能力を高めている。ただ、もし、私がこの本と出合っていなかったら、こんな体験はできなかっただろう。書くことで生まれるメリットを、享受できていなかっただろう。なぜなら、書くことが苦痛だっただろうから。そして、書くことで生まれるメリットを見過ごしていただろうから。

著者の齋藤 孝さんは、「齋藤メソッド」という作文指導塾を経営している。子どもに文章の書き方を指導しているそうだ。

ポイントに気づくと、そこからの伸びは速いようで、受講者はみえちがえるような実力を発揮するんだとか。大人向けにも講座を開いたりしているらしい。

本は大きく分けて、3部構成。最初が「書くことの意義」について。次が、「実践マニュアル」。最後に「書く力をさらに上げる具体的な技」。

もともとは、単行本で出版された本。評価が高いんで、文庫になって安くなりました。Amazon の評価もスゴイですね。買いだと思います(私は買いました)。

『原稿用紙10枚を書く力(だいわ文庫)』(齋藤 孝)
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