一次元調和振動子のエネルギー


一次元調和振動子 \( x = a \cos \omega t \) のエネルギーについて考えます。

ポテンシャルエネルギー

スカラーポテンシャル

保存力に対してスカラーポテンシャルが導入できます。

保存力

粒子の位置のみに依存する力

  • ばねの力
  • 重力

電流を流したときに生じる磁場による力は経路に依存するものであり、保存力ではない。

上に書いたように、磁場による力に対してはスカラーポテンシャルではなくベクトルポテンシャルというものを考える。

\( F \) を力、 \( U \) をポテンシャル、 \( r \) を位置を表す3次元ベクトルとして次のように定義する。

\[ F( r ) = – \mathrm{grad} U( r ) \]

次のように \( \nabla \) (ナブラ) を使って表すこともできます。

\[ F ( r ) = – \nabla U \]

\( F \) を成分表記すると次のようになります。

\[ F ( r ) = – \left( \frac{\partial U}{\partial x}, \frac{\partial U}{\partial y}, \frac{\partial U}{\partial z} \right) \]

一次元のポテンシャルは \( F(x) = – \frac{dU}{dx} \) となります。 この式を利用して単振動の場合のポテンシャルを計算します。

\[ U(x) = \int _{x_0} ^x \left( – F(x) \right) dx \]

\( x_0 = 0 \) として計算を進めます。 \( F = – m \omega^2 x \) とします。

\begin{eqnarray} U(x) & = & \int _0 ^x m \omega^2 x dx \\ & = & \frac{1}{2} m \omega^2 x 2 \end{eqnarray}

\( x = a \cos \omega t \) として、 \( U(x) \) を \(t\) の関数として表すと次のようになります。

\[ U(x) = \frac{1}{2} m \omega ^2 a^2 \cos ^2 ( \omega t + \alpha ) \]

カイネティックエネルギー (運動エネルギー)

\[ K = \frac{1}{2} m \left( \frac{\partial x}{\partial t} \right) ^2 \]

時刻 \( t \) の式で表すと次のようになります。

\[ K = \frac{1}{2} m \omega^2 a^2 \sin ^2 ( \omega t + \alpha ) \]

全エネルギー

全エネルギーはポテンシャルエネルギーと運動エネルギーの和として表されます。

\begin{eqnarray} E & = & K + U \\ & = & \frac{1}{2} m \omega ^2 a ^2 \end{eqnarray}

値は時刻 \(t\) に依存しない定数となり、 一次元調和振動子の中ではエネルギーが保存されていることがわかります。

単位時間あたりの平均エネルギー

\begin{eqnarray} \left\langle K \right\rangle & = & \frac{1}{T} \int _0 ^T \frac{1}{2} m \left( \frac{dx}{dt} \right) ^2 dt \\ & = & \frac{1}{T} \int _0 ^T \frac{1}{2} m \omega ^2 a^2 \sin ^2 (\omega t + \alpha ) dt \\ & = & \frac{1}{4} m \omega ^2 a^2 \\ \left\langle U \right\rangle & = & \frac{1}{T} \int _0 ^T \frac{1}{2} m \omega ^2 a^2 \cos ^2 (\omega t + \alpha ) dt \\ & = & \frac{1}{4} m \omega ^2 a^2 \end{eqnarray}

これより次の式が成り立ちます。

\[ \left\langle K \right\rangle = \left\langle U \right\rangle = \frac{1}{2}E \]