All posts by Kenji

重要ポイントをコンパクトにまとめました 『理論化学が面白いほどわかる本』


『理論化学が面白いほどわかる本(中経出版)』(川辺 徳彰)
『理論化学が面白いほどわかる本(中経出版)』(川辺 徳彰)をAmazonで買う

高校生向けの化学参考書。理系でも文系でも通る道、理論化学です。

いいところ

この本のいいところは、図解、そして、全体像のわかるフローチャート。表紙にもあるとおり、今学んでいる分野が、全体のどの位置にあって、これから何を学べばいいかがわかるようになっています。つまり、今やっているところがわからないなぁ、となったら、どこに戻って勉強すればよいかがわかる本なんです。その意味で、困ったときの救世主といえます。

図解について説明します。もちろん重要ポイントはまとめられているのですが、この本が他の本と違うところは、図をふんだんに取り入れているところです。グラフ、図、モデル、……。どこに、熱化学方程式を分子の図を使って説明している本があるでしょうか。

  • ボイル・シャルルの法則
  • 中和滴定
  • 電池

特に、私がよく利用していたのは、酸化剤・還元剤のページです。載っている酸化剤・還元剤の種類が豊富なんです。水溶液の中で、どの物質がどのタイミングで機能するのかが一目でわかり、非常に役に立ちました。

酸化剤と還元剤

使い方

私の、この本の使い方について紹介します。この本が、ポイントがまとめられた本であること、私が理系で、詳しい理論を学びたいことから、メインの参考書としては使いませんでした。では、どのように使ったか。

難易度の高い参考書を読んでいて、すっきりした説明がほしくなったときに読んでいました。また、コンパクトにまとまっていることから、テスト前の復習として読むようにしていました。全般的に、化学にはなじみにくかったので、こういった本で、化学に入っていきやすい状況を作っていました。

こちらは理論化学ですが、有機化学版無機化学版もつかっていました。

その他化学の参考書についてはこちらもご覧ください。

『理論化学が面白いほどわかる本(中経出版)』(川辺 徳彰)
『理論化学が面白いほどわかる本(中経出版)』(川辺 徳彰)をAmazonで買う

中東を理解する人になろう 『シュメル神話の世界』


『シュメル神話の世界 ― 粘土板に刻まれた最古のロマン(中公新書)』(岡田 明子, 小林 登志子)
『シュメル神話の世界 ― 粘土板に刻まれた最古のロマン(中公新書)』(岡田 明子, 小林 登志子)をAmazonで買う

シュメル・・・これを見て何を思い出すだろうか。私は、Age of Empiresが頭に浮かんだ。

そう、あれは中学生の頃。タダで手に入れた Age of Empires を必死にプレイしていた。 それとこれとどんな関係があるのかということなんだが、そのゲームの中に、「シュメール人」が出てきていたのである。

この本に関するところで言えば、「アッカド人」も出てきていた。

さてその「シュメール人」と「アッカド人」とはなんなのかというと、文字・文学・王政・司祭・教育制度・医学・天文学・高層建築・運河・造船・集約農業・冶金術・商工業・貿易・法制と、現代文明にも匹敵するありとあらゆるものを作ったあのメソポタミア文明の人々である。

そんなメソポタミア文明に伝わる神話がぎっしり詰まった一冊。

また、シュメルの神話には、旧約聖書日本書紀等、他文化との共通点も多く見られる。シュメルから、世界に伝わっていったのだろうか。有名なところでは、「エデンの園」と「ノアの箱舟」だろう。実は、今の「エデンの園」でははっきりとわからないエデンという場所についても、シュメル神話を通してしまえばある程度見当がつく。著者の詳細な説明が、我々の想像を膨らませる。

他の文化との対比を含め、時代背景や文化、当時の精神論まで詳細に説明されているのが本書。シュメル文明の中に図書館のようなものがあり、そこに多くの文献が収められていたというのには驚いた。神話の中には、大人向けというのか、非子ども向けのものまである。日本の文化にも共通する点があり、日本のルーツを調べてみたくもなったところである。

メソポタミア文明、としてしか知らない人には、メソポタミア文明の深さを教えてくれる本になるだろう。中学生のときにこの本と出会っていたかったと思えた一冊です。学校でも四大文明について学んでいた頃だったから。

歴史を知ることは、今、そこで暮らす人を理解する足がかりとなるはず。

『シュメル神話の世界 ― 粘土板に刻まれた最古のロマン(中公新書)』(岡田 明子, 小林 登志子)
『シュメル神話の世界 ― 粘土板に刻まれた最古のロマン(中公新書)』(岡田 明子, 小林 登志子)をAmazonで買う

人生は不公平だ 『ノーと私』


社会から見捨てられた路上生活者。その路上生活者に見捨てられる私。

他人[ひと]というのは、どうしても分かり合えないものなのだろうか。家族でさえも。 IQ160 から出てくる全ての問いに、未成年の路上生活者は答えをもっていた。そんな感じがした。

歩み寄ろうとしていた家族。そんな家族だったが、事態の成り行きには、家族が家族に発した言葉でさえも嘘で塗り固められていたかのような印象を受ける。人間なんてそんなものなんだろうか。

ルーが通う高校のマラン先生。少しでも規則に反していれば教室から出て行くように言い、点数が悪ければ厳罰を与えるという、頑固で守旧的な教師。そんなマラン先生だが、終盤の展開は秀逸だ。定年を迎えるにあたり、自分は自分として生きていきたいという思いが垣間見える。大切にしていたという 1954年 と書かれた本からは、マラン先生もまた、人生を探していたのではないかと思えてくる。 教師として厳しくはしていたが、誰よりもペルニィチャックを理解していたのかもしれない。

「あきらめるんじゃないぞ」

2009年5月。何を信じるべきなのかわからない世の中だが、どんなことがあろうとも、自分の道は自分で切り開いていくものだと、この本は訴えているのかもしれない。

著者と訳者、偶然にも生まれた年が同じ。この本は、作者が書く作品の中で、初めて日本語訳がなされた作品だ。おまけに2008年フランス本屋大賞受賞作だ。

やはりこの本の決定的瞬間は、切符を買いに行く場面だろう。

ノーと私 を Amazonで買う

10年先に投資しよう 『サブプライム後の新世界経済』


『サブプライム後の新世界経済 ~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~(フォレスト出版)』(中原 圭介)
『サブプライム後の新世界経済 ~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~(フォレスト出版)』(中原 圭介)をAmazonで買う

中を見て、ちょっと安心しました。以前、私が、別ブログに書いた内容が、ある程度的を得ていることを確認できたからです。その意味で、私自身の認識を確認する本となりました。

金融工学の見方が変わった

金融工学は役に立たないと書いてありました。金融工学の詳しいところは知りませんが、誰も止める人がいなかったというのが一番の問題でしょう。日経新聞にも書いてありましたが、“金融工学はそのままでは使えない”ものです。そりゃそうですよ、理想空間のなかでの理論ですから。

それとは別に・・・この本を読んだ人の感想を Amazonで見ると、自分のやっていることに本当に意味があるのかと思えてきます。その中にあったのですが、“マクロ経済学は実態に即していない”そうです。私は個人的にマクロ経済学の本や、ケインズ新古典派などなどの本を読んでいますが、さぁ果たして意味は・・・。たしかに、読んでいて、理論が乱雑だと思ったこともしばしばありましたが、最後まで理解すればわかると思い、続けていたところなのです。これからは、間違っているという前提で読むようにします。

経済のポイントは、歴史学心理学哲学。思っていたとおりです。『本は同時に10冊読め』にも書いてありました、間接的に。

投資をするにはなにが大切なのか、そんな眼で読んでみるといいと思います。

著者 中原圭介 さん

著者の中原圭介さんは慶應義塾大学を卒業。その後、短資会社、税務職などを経験し、今はアセットベストパートナーズ金融資産運用部ディレクター。ついでにファイナンシャルプランナー

ブログも書いていて、現在書いているのが、中原圭介の資産運用塾 NEW。 NEW になる前のものは、本になって出版されている (中原圭介資産運用塾) 。

書籍も何冊か出していますね。株の勝ち方とか。 (中原圭介さんの本一覧)

『サブプライム後の新世界経済 ~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~(フォレスト出版)』(中原 圭介)
『サブプライム後の新世界経済 ~10年先を読む「経済予測力」の磨き方~(フォレスト出版)』(中原 圭介)をAmazonで買う