振動・波動 基礎知識


振動

ある安定点の周りで微小な変異を与えた時に、復元力が働いてその周りで繰り返し往復運動が起きる現象です。

振動の例

  • ばねの運動
  • 楽器の弦
  • 地震
  • 音 (空気の疎密波)
  • 電波 (電場・磁場の振動状態)
  • 送電 (電流の交流)
  • 光 (電磁波の一種)
  • 株価・為替変動 (安定点は不明瞭だがある安定点の周りを振動しているといえる)
  • 統計値の変動

単振動

振動とは、ある安定点のまわりで往復する動きで複雑なものも含まれるが、単振動とは ( sin ) , ( cos ) で表される振動を指します。

典型的な例 (1次元)

ばねの一端を固定し、もう一端に質量 ( m ) の重りをつけます。

安定点からの変異量(長さ)を ( x ) とすると、 復元力 ( F ) は ( k ) を正定数として ( F = -kx ) と書けます。 (フックの法則)

このときの運動方程式は次のようになります。

[ m frac{d^2 x}{d t ^2} = F ; (=-kx) ]

この運動方程式の解は、( omega = sqrt{frac{k}{m}} ), ( A ), ( alpha ) , ( beta ) を定数として ( x = A sin ( omega t + alpha ) ) または ( x = A sin ( omega t + beta ) ) のように書くことができます。

特にこの例は一次元の単振動で、一次元調和振動と呼ばれることもあります。

振動の物理量

振幅 Amplitude
単振動の例では ( A )。
位相 Phase
単振動の例では ( omega t + alpha ) 。 ( alpha ) は、初期位相、位相定数と呼ばれる。
周期 Period
( x(t) ), ( v(t) ) をそれぞれ時刻 ( t ) での位置、速度を表す関数として、 ( x(t + T) = x(t) ), ( v(t + T) = v(t) ) を満たす定数 ( T ) のうち最小のものを周期といいます。 単振動の例では ( T = frac{2 pi}{omega} ) 。
周波数・振動数 Frequency
単位時間あたりの振動の回数。 単振動の例では ( f = sqrt{1}{T} = frac{omega}{2 pi} ) 。 単位時間は、多くは秒で、単位は Hz(ヘルツ) が用いられる。
角周波数・角振動数 Angular Frequency
単位時間あたりの回転角度をラジアン単位で表したもの。 単振動の例では ( omega = 2 pi f = frac{2 pi}{T} ) 。