Rails で API サーバ を開発していたときに、 複数の開発環境を作った方法です。
続きを読む Rails API サーバ の開発環境を1台のEC2サーバで簡単に複数作った方法「nginx」タグアーカイブ
Passenger と Nginx で Rails を動かす インストール手順
Passenger, Nginx で Rails を動かすこととなりました。 しかし、デフォルトのインストール方法ではレスポンスに不要なヘッダが含まれてしまいますので、これを除去するために モジュールを含めて nginx のコンパイル・インストールを行いました。 以下はその記録です。
環境
- Ruby 2.2.2
- Nginx 1.8
- Passenger 5.0.18
- EC2 Amazon Linux 2015.03
手順
ruby はインストールされているものとして進めます。
- Passenger の インストール
- Nginx のインストール
- Nginx 及び 必要なモジュールのダウンロード
- コンパイル・インストール
- nginx の設定
- nginx の再起動 (または起動)
Passenger のインストール
gem install passenger
を実行して、 Passenger をインストールします。
Nginx のインストール
ここで root 権限 を使って passenger-install-nginx-module
とやれば、 nginx のインストールはできます。 nginx のソースをダウンロードしてコンパイルしてくれます。 しかし、その状態だと レスポンスヘッダに Nginx や Passenger の名前・バージョンが出力されます。
そういったヘッダを出力させないために、 モジュールを含めて Nginx をコンパイルする必要があります。
Nginx 及び 必要なモジュールのダウンロード
まずは Nginx と 必要なモジュールをダウンロードします。
sudo su -
で root ユーザ に変更して、 cd /usr/local/src
を実行します。
Nginx のダウンロード
Nginx (tar.gz形式) をダウンロードします。 このとき最新の安定版だったのは Nginx 1.8.0 でした。 Nginx の公式ダウンロードページからダウンロードできます。
1 |
wget http://nginx.org/download/nginx-1.8.0.tar.gz |
ダウンロードができたら展開しておきます。
1 |
tar xvfz nginx-1.8.0.tar.gz |
headers-more-nginx-module のダウンロード
シンプルな Nginx と Passenger で運用すると、 ヘッダに Nginx や Passenger のバージョン、 処理時間などが出力されます。 サーバの内側の情報をできるだけ外に出さないようにするために、 Nginx では headers-more-nginx-module というのを使って対処します。
こちらのモジュールは github から最新のバージョン(tar.gz形式)のURLを取得します。
リリース一覧ページ : Releases · openresty/headers-more-nginx-module
1 |
wget https://github.com/openresty/headers-more-nginx-module/archive/v0.261.tar.gz |
ダウンロードができたら展開しておきます。
1 |
tar xvfz v0.261.tar.gz |
展開後は、展開前のファイル名をわかりやすいものに変更しておきます。 Tab を使えば、 展開後のディレクトリ名を利用して(ある程度)簡単に入力できます。
1 |
mv v0.261.tar.gz headers-more-nginx-module-0.261.tar.gz |
コンパイル・インストール
インストールの際には 次のものが必要ですので、 ない場合はあらかじめインストールしておいてください。 なかったとしてもメッセージが表示されますので心配はいりません。
- C コンパイラ (/usr/bin/cc)
- C++ コンパイラ (/usr/bin/c++)
- wget または curl
- SSL をサポートしている curl の development header
- Openssl development header
- Zlib development header
- rake, rack, ruby development header, rubygems
Nginx を過去に同じ場所に同じようにインストールしていた場合は、古い nginx 実行ファイル が nginx.old
という名前になります。
スワップ領域
EC2 micro instance などを使っている場合で、 メモリが十分に無い場合(1GB以下の場合)はスワップ領域が必要になります。 root 権限 で次のコマンドを実行します。
1 2 3 4 |
sudo dd if=/dev/zero of=/swap bs=1M count=1024 chmod 644 /swap sudo mkswap /swap sudo swapon /swap |
メモリが足りないままインストールを実行した場合でも、インストール中に案内が表示されますので心配はいりませんが。
passenger-install-nginx-module
を実行します。 特にオプションは必要ありません。
1 |
passenger-install-nginx-module |
ここからインストールが始まります。
まずは 処理の説明が表示され、 Press Enter to continue, or Ctrl-C to abort.
と表示されます。 Enter を押して続行します。 途中で止めたくなったら いつでも Ctrl-C を押せば止められます。
続いて Which languages are you interested in?
と表示されるので 必要なものを画面の指示にしたがって選択し、 Enter を押します。
インストールされているソフトウェアのチェックが終わると、Do you want this installer to download, compile and install Nginx for you?
と、 インストール方法を聞かれます。 ソースからコンパイルを行うので 2. No: I want to customize my Nginx installation. (for advanced users)
を選びます。
また、 私の場合は PCRE というのがインストールされていなかったようで、 途中で自動的にダウンロードされました。
次にソースファイルの場所とオプションの入力が必要になります。 次のように入力しました。
- Where is your Nginx source code located?
/usr/local/src/nginx-1.8.0
- nginx のソースの場所です。
- Where do you want to install Nginx to?
- デフォルトのまま何も入力せず Enter を押しました。
- nginx のインストール先です。
- Extra Nginx configure options
--add-module=/usr/local/src/headers-more-nginx-module-0.261
- nginx をコンパイルする際のオプションです。 headers-more-nginx-module を使用するため、
--add-module
オプションを設定しています。 デフォルトで設定されるオプションはコンソール上に表示されます。
最後の意志確認をされますので、 まちがっていなければ Enter を押します。 コンパイルとインストールが実行されます。
nginx の設定
私は /opt/nginx/conf/nginx.conf.default
をコピーして /opt/nginx/conf/nginx.conf
を作って編集しました。 (もっときれいなやり方もあると思いますが。)
Rails を動かすだけなら 次のようにすれば OK です。 抜粋してサンプルを掲載します。 client_max_body_size
はクライアントからの画像アップロードのために設定しています。 (デフォルトでは1Mだそうです。) その他の設定値の意味は Phusion Passenger users guide, Nginx version などに説明がありますのでそちらをご参照ください。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 |
http { passenger_root /path/to/passenger-x.x.x; passenger_ruby /path/to/bin/ruby; server { location / { index index.html index.htm; client_max_body_size 10M; passenger_enabled on; root /var/rails/root/public; passenger_base_uri /var/rails/root; rails_spawn_method smart; rails_env development; # or production } } } |
そこにヘッダレスポンス変更のための記述を追加します。
1 2 3 4 5 6 |
http { more_clear_headers Server; more_clear_headers ETag; more_clear_headers X-Powered-By; more_clear_headers X-Runtime; } |
設定が間違っていないことを次のコマンドでチェックします。 エラーが表示されなければ OK です。
1 |
/opt/nginx/sbin/nginx -t |
Nginx の再起動 (または起動)
再起動のときには /opt/nginx/sbin/nginx -s reload
とやることが多いのですが、 今回はそれではうまくいきませんでした。
/opt/nginx/sbin/nginx -s stop
で nginx を止めてから /opt/nginx/sbin/nginx
を実行するとうまくいきました。
初めて起動する場合は /opt/nginx/sbin/nginx
のみ実行すれば OK です。