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リモートワークを導入することについて、 リモートワークを実現している 37シグナルズ の CEO Json Fried と David Heinemeier Hansson の書いた『強いチームはオフィスを捨てる』を読んで考えてみた。
リモートワークを考え始めたきっかけ
毎日会社に言って、山のような仕事をこなしていたところ、「移動時間すら惜しい」と思ったのがきっかけ。 顔をあわせて話をするのは重要だと思うし、完全にオフィスに行かないというのはよくないと思うから、完全にリモートというのは良くないと思うのだけど、なにも週5で毎日朝から晩まで会社にいる必要はなくて、必要な時に社員が揃えばいい。
また、顔を合わせて話をした相手とは、親近感が増す。 とても簡単なことだから、これを利用しない手はない。 だから、1週間のうちにせめて1回は顔をあわせてもいいと思う。
37シグナルズは特に実店舗を持たない企業だから、もっと顔を合わせる回数も少なくて、1年に2回、約5日間、全員で顔を合わせている程度らしい。 そんな 37シグナルズ でも顔を合わせることは重視している。
でも、もっと大事な目的は、いつもコンピュータで見ている相手と直接会って交流することだ。 ずっと会わないでいると、画面上の印象だけで相手を見てしまう。 とくに、新しくなったメンバーがいるなら、かならず全員に紹介しておくべきだ。
直接ふれあった相手とは、リモートでもコミュニケーションを取りやすくなる。
リモートワークで注意したいこと
リモートワークにはリスクもつきもの。 『強いチームはオフィスを捨てる』 の中で、 特に注意したいと思ったことを紹介する。
セキュリティ
言わずと知れたセキュリティ。 リモートワークをやるなら会社のルールとして強制的に適用したい。
- ハードディスク暗号化
- 自動ログインを使わない
- スマートフォン・タブレットにもパスワード
- パスワードは長くて複雑なものに
- Gmail には2段階認証を使う
AWS はもちろん Multi Factor Authorization を使いたい。
ハードディスク暗号化は、暗号化するだけなら楽だけど、データ救出をすることを考えると特に気をつける必要がある。 うまくデータを救出できないかもしれない。 いろんなサービスを利用して、クラウド上に重要ファイルを保存しておきたい。
社員の体
社員の体・健康面について、特に気をつける必要があると思った点が次の2つ。
孤独
3大本能といわれるものに、食欲、集団欲、性欲がある。 どんなに内向的な人でも他人と関わりたいという本能的な欲求がある。
完全な孤独は、人を狂わせる。
精神的な安定のために、リモートワーカー自身でも気をつける必要がある。
仕事をしすぎて破滅
本の中では『自由は屈従になりうる』と紹介されている。 自由すぎて、仕事とプライベートとのバランスが取れなくなることが問題だと書かれている。
部下の様子が見えないので、気づいたときには完全に燃え尽きていたということにもなりかねないからだ。
これを防ぐ方法は、仕事し過ぎない文化をつくることだ。
リモートワークで取り入れたい考え方
給与水準
東京じゃなくても、他の都道府県にも優秀な人材はいる。 それならば、「給与を低く抑えられる」と考えずに、「他の都道府県の優秀な人材に東京並の給与を払う」という考え方の方がいい。
人材採用のためのテストプロジェクト
本格的に採用する前に、1,2週間のお試し採用をして、小さなプロジェクトをやり遂げてもらう。
日本では、 Repro がこれに似たことをやっていた。
リモートワークへの期待
きっと、ほとんどのコミュニケーションがバーチャルになるから、会って話をすることの価値が高まり、直接話をする時間が濃密になる。 締まりのない会話やミーティングではなく、資料・要点のまとまったコミュニケーションができるようになると期待している。
リモートワークで失うもの
リモートワークをする社員は、会社によっては、ジム、レストラン、クリーニングのサービスが受けられなくなる。 日本だと、特に英会話レッスンが受講できる会社もあるし、会社に書籍が揃っているところも多い。 全日リモートワークにすると、社員はこういったサービスを受けられなくなる。
だからといってがっかりすることはなくて、そういうサービスを受けたい時だけ会社に行けばいい、オフィスが電車で行ける距離にあるなら。 いや、逆にそういうサービスを会社で提供しないほうがいいのかもしれない。 提供しないほうが、オフィスの近くにいる人とオフィスから遠いところにいる人の不公平感がなくなる。
リモートワークは是か非か
社員が信頼できるなら、導入したほうがいい。