潮の満ち干きはなぜ起きるのか


潮の満ち()きはなぜ起きるのかまとめました。

潮の満ち干き

潮が満ちることを満潮(まんちょう)、潮が干くことを干潮(かんちょう)といいます。

こういう現象があるため、潮干狩りや釣りに夢中になっていると、いつのまにかあたり一面が水浸しになっていたということが起きます。

満潮・干潮の周期

満潮・干潮の周期は複雑ですが、単純にいえば約25時間(約1日)の中に満潮・干潮がそれぞれ2回あります。

満潮・干潮の原因

原因は、大きく分けて2つあります。

月の引力

月が地球にある海水を引っ張ります。 これにより、月に一番近いところの海水が引っ張られ、潮位が上昇します。 地球は1日のうちに1回ほど回転していますから、日本周辺の海水が1日のうちに月に引っ張られる回数は1回です。 月に最も近い場所というのは、日本で言うと、月が南中している場所ですね。

この周期は約25時間です。 月の公転周期は約27.3日で、地球の自転と同じ向きに毎日移動しているので、地球が24時間ほどかけて1回転するのに加えてもう少し回る必要があるんです。

地球の遠心力

地球と月をセットで考えると、2つの星がひとつの重心(共通重心)を中心にして同じ27.3日で回転していることになります。 この共通重心から最も遠い点では、回転による遠心力が最も大きくなります。 最も近い点では遠心力が最も小さくなります。

共通重心から最も遠い点は、月とは真反対の場所になります。

これが1日(約25時間)の中でのもう1回の満潮・干潮の説明になります。

これで、月に最も近い時と、月から最も遠い時に満潮になることがわかりました。 その間の、引力や遠心力の影響を受けないときが干潮になります。

大潮と小潮

満潮と干潮はほぼ毎日ありますが、満潮・干潮の水位は約29.5日の周期で変化します。 一番水位が高い時を大潮(おおしお)、一番水位が低い時を小潮(こしお)といいます。

大潮・越生の原因は、太陽の引力です。

太陽の引力

海水には、月の引力・地球の遠心力に加えて太陽の引力も働きます。 地球、月、太陽が一直線に並ぶとき、月の引力・地球の遠心力に太陽の引力・太陽との共通重心に対する地球の遠心力が加わって、満潮がさらに強くなります。 その時期が大潮です。

太陽、月、地球の順で並んでいる時、月に最も近い地球上の位置では、太陽にも最も近いため太陽と月の引力が重なり潮位が上がります。 またその反対側の位置では地球と月の共通重心に対する遠心力と、地球と太陽の共通重心に対する遠心力が重なって潮位が上がります。 そして、太陽、地球、月の順で並んでいるときは、太陽にもっとも近い地球上の位置で、月と地球の遠心力と太陽の引力が重なって潮位が上がり、その反対側では月の引力と太陽と地球の遠心力が重なって潮位が上がります。

この周期は約29.5(約1か月)です。 月の公転周期は約27.3日ですが地球はその間太陽の周りを公転して更に自転もしています。 地球の公転の向き、自転の向き、月の公転の向きは同じなので、太陽、月、地球がこの順番で1直線に並ぶ周期が27.3日よりも長い29.5日となります。 いわゆる新月・満月の周期です。