目次
自転車を駐めるための車庫を買った。ものを大切にしたい、ただそれだけだった。
Round 1
2014年1月。楽天でサイクルガレージを発注した。休日を利用して組み立てればいい、そう考えていた。
休日になり、朝から精を出して組み立てた。しかしどうしても屋根部分のパイプがつなげられない。ネジが締まらないのだ。本来ならぴったりとくっつくところに隙間が空いて、どうしてもネジを締めることができない。途方に暮れた私は、平日に問い合わせることにした。
問い合わせたところ、該当のパイプを送ってくれるらしい。配送される時期の私の仕事が繁忙期であるため少し心配だったが、なんとかなるだろうと思っていた。
Round 2
1, 2週間ほど経ってパイプが届いた。外は暗くなっていたがあと少しで完成すると思い、私は作業に取りかかった。
しかし、問題は再発した。工場が中国にあるからなのか、出荷時の検品を怠っているのか。会社に無理を言ってスケジュールを調整している手前、さすがに黙ってはいられない。翌日問い合わせることにした。
出荷時の検品も怠ることなく行い、説明書通りに組み立てられることも検証していると業者は言う。しかし、どう考えても検品などやっていない。どうにか話をつけて、すべてを交換することにした。
交換するには組み立ててあるパイプをすべて分解する必要がある。1月中に組み立ててすべて完了になるはずだったが、2月までかかることになってしまった。最初からまともな商品が届いて入ればこんなことにはならなかったのに。
Round 3
やっと、やっと届いた。開梱してチェックすると、商品はまともに見える。早速組み立てた。
できた。明日から雪が降るという天気予報を聞いている。雪の前にできてよかった。私は安心して休むことにした。
Final
2014年2月8日、雪が降り出した。私は外出した。夕方になると都内の交通網に影響が出始めた。20時を過ぎると都内の電車は軒並み運転見合わせになった。
家に着いたのは23時を過ぎた頃だった。組み立てたサイクルガレージは雪を確実に防ぎ、自転車を守っている。
雪は翌日まで降り続けた。
翌日、出社のため家の前の雪かきをして家をでた。そこで目の当たりにしたのは、崩壊したサイクルガレージだった。雪の重みに耐えられなかったのだ。
あれだけ長い時間をかけて組み立てたサイクルガレージ、1日経ったら崩壊。