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英語の発音、オバケとゴマが解決する! 『オバケの英語』


日本人英語発音が苦手と言われます。その理由は、簡単にいえば、英語のほうが多くの音を使うからです(参考:『きれいに話すための発声・発音トレーニング』)。そのため、発音をマスターしないと英語は話せません。そこで、多くの人が発音を学ぼうとするのですが、では何を使って学ぶのが”いい方法”なんでしょうか。

英語の音を真似すれば、問題なく習得できます。でも、何度も CD を聞いて真似をしていたら、発音を身に付けるだけでかなりの時間を使ってしまいます。ポイントだけさっさとマスターしたいですよね?

そこでおすすめするのがこの本です。『オバケの英語』。英語発音に関する本は、『英語耳』などいろいろと出ていますが、『オバケの英語』は、今までの本とはまったく違う書き方をしています。口の動きがとても理解しやすいのです。その書き方についてちょっと説明しますね。

「ゴマ」を使っています。

ハィ、これだけではわかりませんね。では P.50 にある [k] の発音についての記述を少しだけ見てみましょう。

無声子音 k は、舌の後部を持ち上げて、
上あごの奥に張り付いてたゴマをクゥッと吹き飛ばす。

なんのことやら、と思った方もいることでしょう。しかしこの説明は、とっても具体的で、また実際の発音正確に著しています。もちろん、図もついているので、迷うことはありません。今までの本だと、図がついていても、その後の息の使い方まではわからなかったのではないでしょうか。

更にこの本の方法では、実際にゴマを使って自分の発音を確かめることができます。今までの本では、自分の発音を確かめるためには、外国人に聞いてもらわないといけなかったはずです。自分の声を録音して聞いたところで、それが正しいのかどうかを判断するのは難しいですよね。

たかがゴマ、されどゴマです。[k] は、日本語の「かきくけこ」も使っている音ではありますが、日本語の発音ではゴマを飛ばすことはできません。英語は日本語に比べて、息を巧みに使う言語です。日本語よりも、子音ひとつひとつを大切に発音し、使う息の量も日本語とは比べ物になりません。ゴマを使うことで、息の使い方まで習得できてしまいます

その他の内容としては、発音に配慮して作られた英語の文章があります。これは、ポイントが協調されて書かれているもので、通常の英文を読む場合に比べて発音への意識が刺激され、意識的に発音を身に付けることができます。また CD も付いているので、実際の音を聞いて、更にブラッシュアップすることが可能です。

ゴマを使って習得しやすい説明をしたこの本、なぜタイトルが『オバケの英語』なんでしょうか。それは、オバケとの会話文だからです。小説の主人公になって話を読み進めていけば発音が身に付くというスグレモノ。難しい理論一切ナシの良書です。


大学入試 実践の定番 『実戦 化学 I・II 重要問題集』


(他科目(物理・生物)もあります。)

大学入試のための問題集です。この問題集は、大学入試問題から良問を集めてあり、とても実践に即した問題集となっています。ほとんどの問題集について言えることですが、学校の授業や、独学等で、ある分野・項目について理解した後に、すぐに解いていくのがいいと思います。あとからやろう、と考えている場合、あとになったら忘れていることが多いので。私は、高校1年のときからこれを使っていました。

もちろん、おすすめの問題集です。何がオススメポイントかというと、まず解説が詳しいことです。解説は別冊になっていて、問題と同じだけの厚さ、つまり本の 1/2 が解説になっているわけです。また、別冊になっているので、問題と一緒に開いてみることができます。 そして良問揃いであるということ。各大学が1年に1度しか出さない入試問題を集め、そのなかから良問だけを厳選して載せているので、本当に実践的実力がつく本です(重要なことなので2回書きました)。

ただし、気をつけてほしいことが2つあります。

ひとつは、必ず参考書を使うということ。この問題集にも、小さなまとめはありますが、そういうのは単なるまとめにすぎません。たとえば、ベンゼン環についての問題で、ほとんどわからず、間違えてしまったとします。解説は詳しいですから、この問題を解くのに十分な知識は、この本から得ることができます。しかし、ベンゼン環についての広い知識と応用力をつけようと思ったときには参考書が不可欠です。元となっている理論を理解しないと意味がありませんから。化学の高校用参考書で一番オススメなのは、化学の新研究です。理系化学精説もいいと思います。

もうひとつは、無理をしないということです。実践の入試問題というだけあって、しっかりした知識がないと、まず解けません。参考書などを見てインプットするのも大切ですが、中にはアウトプットを繰り返さないと定着しない知識もあります。私にとっては無機化学がそうでした。知識が身についていなくて解けない、そういうときは、基本を身につけるための問題種を使ってからこの本を使いましょう。基本の問題種は、化学 理系標準問題集超GOODです。一見回り道に見えるかもしれませんが、かえって確実で早道です。中学1年生が積分の本を見続けるのと、基礎からさっさと勉強して積分を習得するのと、どちらがはやくて着実か、おわかりですよね?

最後に、問題集落とし穴について説明して終わります。この本を最初にやるときは、とても時間がかかるかも知れません。初めて問題を見て、初めて見る解説をじっくり読むんですから。でも2回目は1度見ている問題です。1度理解した解説です。どこがポイントなのか、理解するのは早くなっています。3回目にやったときにはもっと早くなっています。つらいのは最初だけです。1度やってしまえば、あとは面白いように理解できます。逆に言えば、何回もやってこそ実力がつきます。

1度やってしまえば面白いように理解できる。やればできる。がんばろう!

(他科目(物理・生物)もあります。)

高校数学の王道 『チャート式数学』


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チャートです、皆さんよくご存知の。最初に、この本の使い方(一般的高校生向け)について説明します。

毎日1時間、この本を使って勉強しましょう。文系だったり、数学よりもほかの事をやりたいという人は、ご自身で調整してください。私は、この本で、数学A(B, C)を1時間やり、次の日に数学I(II, III)を1時間やるという方法を続けていました。もちろん、都合が悪くなってできない日もありました。そういうイレギュラーの日には、理系志望のための高校生活ガイドに書いてある方法を使います。これで、着実実力がつきます

このやり方自体も、理系志望のための高校生活ガイド高校数学とっておき勉強法を参考にしています。その2冊を読めば、数学だけでなく、その他の科目についても、しっかりとした計画を立てて取り組むことができます

さて、チャートは非常によく知られた参考書ですが、赤、青、黄、白、どれがいいのでしょうか。私はを薦めます。最低でも青です。詳しくは、理系志望のための高校生活ガイドに書かれています。チャートは、数学問題集としても使えますが、参考書としても使えます。それを考えると、黄や白でいいという人もいるのでしょうが、それはお金の無駄になると思います。

私の場合は、高校で青を買わされ、独自に赤を買いました。青を使ったのは、宿題として出たときだけでした。両方をやったことのある私の感想としては、赤のほうが解説丁寧です。Amazon のレビューを見ても、そんなことが多く書かれていますね。

最後に、私とチャートの関わりについて書いて終わります。私の使ったチャートは、現行教養課程になる前のものです。2001.4-2004.3 が高校に通っていた時期でした。そのときの赤チャートの著者は、東北大学の砂田利一さん。

私が数学に関して思っていたのは、『数学は、個人ペースでやるもの』ということです。これは、どの科目についてもいえることでしょう。高校では40人が集まってひとつの授業を受けますが、全員同じレベルかというと決してそんなことはなく、テストで笑っていられる人もいれば、笑うしかない人もいます。そんなわけで私は、授業のペースは気にしていませんでした。授業はとりあえず聞くだけ聞きながら、問題を解いていましたチャートなどの。

学習計画については、中学のときに理系志望のための高校生活ガイド高校数学とっておき勉強法を読んでいましたので、高校へ入った後はばっちりでした。

私がチャートと初めて出会ったのは、中学の頃です。家に、親の使っていたチャートがありました。緑色のチャートです。中学の頃にこれを読み、ある程度自分で勉強したりしていました。特に、因数分解二次方程式二次関数は、中学でも学習する範囲ですから、非常に役に立ちました。因数分解に困ったときのアルゴリズム(解き方)が書いてあり、それを知った上で中学の問題を解いていました。高校に入ってから高校のチャートを読み、その上で高校の問題を解くのと、中学の時に高校のチャートを読み、その上で、中学のときから問題を解くのと、どちらがいいかはわかりますよね?

高校に入ってからは、順調に勉強を進めていったのですが、そんな私も高校1年の冬に大変なことになりました。数ヶ月間手を抜いていたら、高校でやっている内容についていけなくなりました。当たり前といえば当たり前ですね。どうしたかというと、地道に今までどおりのやり方で勉強を続けました。その甲斐あって、すぐにトップレベルにもどりました。チャートさえなんとかしておけばどうにでもなるもんです。

数学は、理論さえわかればあとはなんとでもなるものですが、気をつけてほしいことがあります。細部まで慎重に文章を読むということです。そう、あれは受験間近の駿台京大模試。6題ある数学の問題のうち、ひとつ、うまく解けなかった問題がありました。問題を適当に読んでいて、条件を見落としてしまっていました。数学の偏差値は80~90の間だったと思いますが、あれさえスムーズに解けていれば、90は超えたんではないかと思っています。なんにせよ、いい加減にやっていてはダメですね。

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無機化学は効率よく覚えよう 『無機化学が面白いほどわかる本』


『無機化学が面白いほどわかる本(中経出版)』(川辺 徳彰)
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いいところ

理論化学に続いて無機化学の本です。これも、レイアウト等は、前記事に書いたとおりです。図解メインの参考書で、全体像のわかるフローチャートがついています。繰り返しになりますが、今学んでいる分野が、全体のどの位置にあって、これから何を学べばいいかがわかる本です。

特に無機化学は、覚えることが多いです。各元素の特徴を訊かれますからね。さて、その各元素の特徴なのですが、この本は、各元素について、化合物との関連を示した図が入っています。百聞は一見に如かず、画像を載せますね。

  • Al: アルミニウム
  • N: 窒素

各元素のセクションのトップに、このようなまとめの図が載せてあります。その後ろには各種の説明が整理された上で載せられています。

  • Ag: 銀

この部分については、私が後に使うようになった本のほうが見やすいかもしれません。ただ、この本がほかの本と違うところは、その関係図の内容が詳しく説明されていることと、各物質の比較表です。これはなかなか他の本には見られません。P.52[の強弱], P.53[塩基比較], P.56, 57[酸性物質塩基性物質を周期表にて一覧で見られるようにしたもの], P.59, 60, 79 などです。

  • イオン化傾向

使い方

では私の使い方を紹介しましょう。私がよく使ったページは3つ。

まず1つは、イオン化傾向。沈殿物比較して一覧で見られるのがポイントです。私はこれで沈殿物の性質を覚えるようにしていました。文字で覚えるより、図で覚えたほうが覚えやすいですからね。

2つめが P.165。P.81 でも沈殿物の色などについては見ることができるのですが、中には、鉄のように、酸素のみと結合する場合だけでも複数の色になる元素や、P.81 に載っていない元素があったりします。遷移金属というタイトルがついています。錯イオンについても書かれています。これも一覧で覚えるようにしました。

3つめに P.186, 187。コレは絶対見ておきたいページ ですね。無機化学の最後の砦といえば、そう、元素の分離です。HCl 等を加えていって、何の元素が入っているかを当てる問題。試薬と沈殿の性質アルゴリズムがまとめられています。こういう分析の問題には苦労しましたが、こういったチャートがあると覚えやすいですね。

化学は、地学、生物に次いで暗記項目が多い科目と言われます。効率よく覚えましょう。テスト前に役立つことが多かったです。

『無機化学が面白いほどわかる本(中経出版)』(川辺 徳彰)
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交渉テクニックを体得する! 『会話ヂカラを学べ!』


『会話ヂカラを学べ!(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』(A.パーカー 著, ディスカヴァー・クリエイティブ 訳)
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小手先の細かい話が書かれている。ある程度、会話に慣れた人が、サッと読んだり、交渉初心者が、交渉前のチェックとして読む本だと思う。最後のオススメ書籍のページには、私がいいと思う本もあったが、本書はさほどよい本ではない。
会話ヂカラ”と書いてはあるものの、ビジネス会話のみに限った話なのだ。「恋愛だってうまくいく」と帯には書いてあったが、私にはそうは思えない内容であった。

今の体裁では役に立たない本で終わってしまうが、タイトルを変えればそれなりにいい本になるはずだ。「交渉チェックポイント100選」だったらピッタリだと思う。

この本をオススメするとすれば、入社して少ししか立っていない人か、交渉のポイントをいつでも見れるように携帯しておきたい人だ。あまり交渉に慣れていない人の陥りやすいポイントが書かれているから、交渉前に確認ができる。
言い方を変えれば、交渉の軸・考え方よりも、数をこなして体得していく人向けの本。チェックポイントしかないからこそ、そういう人の役に立つと思う。Amazon の書評でも、同じことが書いてあった。交渉というのは、習うより慣れろという面が大きいので、難しいことはいいからやってみたい、という人にはいいだろう。

『会話ヂカラを学べ!(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』(A.パーカー 著, ディスカヴァー・クリエイティブ 訳)
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