目次
角柱の体積が角錐の体積の 3分の1 になる理由を書いておきます。
ここで、 次の2点は既知とします。
- 底面積と高さが同じ角錐は同じ体積になる。 (これもいつか証明を書きます。)
- 角柱の体積は底面積と高さの積である。
説明
ここでは三角錐について考えます。 底面積が多角形の錐体は有限個の三角錐に分割できますので、 三角錐のみを考えれば十分です。
下の図のように 三角錐ABCD を考えます。 三角形ACD を 点A が 点B に重なるように平行移動したときの、 点C、D をそれぞれ 点E、F とします。
こうしてできた点 A,B,C,D,E,F を結んでできる立体は三角柱になります。 (点E,F は平行移動してできた点ですから、 点A,B,C,E は同一平面上にあります。 同じように 点A,B,D,F も同一平面上にあります。 また、 点C,D,E,F も同一平面上にあります。)
三角柱 ACD-BEF を 3つの三角錐に分割します。 もとの三角錐ABCD と 三角錐EBCD 、 三角錐BDEF です。
ここからざっくりとした説明をしていきます。
三角錐ABCD と 三角錐EBCD
底面を三角形BCDとして考えます。 2つの三角錐は底面が共通なので底面積が同じです。
底面BCDとAの距離、Eの距離は同じになります。 (線分AEが底面BCDで2等分されることから。)
底面積と高さが同じになるので 三角錐ABCDと三角錐EBCDの体積は同じです。
底面を平行四辺形ABCEとする四角錐を、頂点Dを通る平面DBCで2等分したと考えることもできます。
三角錐BDEF と 三角錐BDEC
底面を三角形BDFとして考えます。 2つの三角錐は底面が共通なので底面積が同じです。
底面BDFとFの距離、Cの距離は同じになります。 (線分CFが底面BDFで二等分されることから。)
底面積と高さが同じになるので 三角錐BDEFと三角錐BDECの体積は同じになります。
点面を平行四辺形CDFEとする四角錐を、頂点Bを通る平面で2等分したと考えることもできます。
以上より分割されてできた3つの三角錐の体積は同じことがわかるので、三角錐ABCDの体積は三角錐ACD-BEFの体積の3分の1となります。