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証明: \( a^b \) が有理数となるような無理数 \( a \) 、 \( b \) が存在する


( a^b ) が有理数となるような無理数 ( a ) 、 ( b ) が存在する。 これを証明します。

具体的に ( a ) 、 ( b ) の値を求めることなく、 排中律を使って証明します。

証明

( x = sqrt{2} ^ sqrt{2} ) とする。

( x ) が有理数のとき

( sqrt{2} ) は無理数だから、 ( a = b = sqrt{2} ) とすればよい。 ( ( sqrt{2} ) が無理数であることの証明は 証明: ( sqrt{2} ) は無理数 をご覧ください。)

( x ) が無理数のとき

begin{eqnarray*} sqrt{2} & = & (sqrt{2}^sqrt{2})^sqrt{2} & = & sqrt{2}^{sqrt{2} cdot sqrt{2}} & = & sqrt{2}^2 & = & 2 end{eqnarray*}

であるから、 ( a = x = sqrt{2}^sqrt{2} ) 、 ( b = sqrt{2} ) とすれば ( a ) 、 ( b ) は無理数で ( a^b ) は有理数となる。

以上より、 ( a^b ) が有理数となるような無理数 ( a ) 、 ( b ) は存在する。


証明: 無限小数になる有理数は循環小数


無限小数になる有理数は循環小数になることを証明します。 無限小数になる有理数というのは、 有理数になる小数の中で有限小数でないものになります。

割り算の操作をよく観察すればわかりそうなものですが、 感覚的なものを証明としてしっかり書いてみます。

感覚

たとえば 89 を 13 で小数の位まで順次割った場合、 余りは次のようになります。

\begin{eqnarray*} 89 \div 13 & = & 6 \; \textrm{余り} 11 \\ 110 \div 13 & = & 8 \; \textrm{余り} 6 \\ 60 \div 13 & = & 4 \; \textrm{余り} 8 \\ 80 \div 13 & = & 6 \; \textrm{余り} 2 \\ 20 \div 13 & = & 1 \; \textrm{余り} 7 \\ 70 \div 13 & = & 6 \; \textrm{余り} 5 \\ 50 \div 13 & = & 3 \; \textrm{余り} 11 \\ 110 \div 13 & = & 8 \; \textrm{余り} 6 \end{eqnarray*}

7 回目 の割り算で 1 回目 と同じ余りが出てきました。 13 で 割った時の余りの数は 1 から 12 の 12 種類しかありませんから、 13 回 割り算をやっても割り切れなかったら どこかで同じ余りが出ていて循環小数になることがわかります。

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証明: \( \sqrt{2} \) は無理数


有理数の定義は既知とします。 有理数でない実数を無理数といいます。

ここでは \( \sqrt{2} \) が無理数であることを証明します。

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