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証明: \( a^b \) が有理数となるような無理数 \( a \) 、 \( b \) が存在する


( a^b ) が有理数となるような無理数 ( a ) 、 ( b ) が存在する。 これを証明します。

具体的に ( a ) 、 ( b ) の値を求めることなく、 排中律を使って証明します。

証明

( x = sqrt{2} ^ sqrt{2} ) とする。

( x ) が有理数のとき

( sqrt{2} ) は無理数だから、 ( a = b = sqrt{2} ) とすればよい。 ( ( sqrt{2} ) が無理数であることの証明は 証明: ( sqrt{2} ) は無理数 をご覧ください。)

( x ) が無理数のとき

begin{eqnarray*} sqrt{2} & = & (sqrt{2}^sqrt{2})^sqrt{2} & = & sqrt{2}^{sqrt{2} cdot sqrt{2}} & = & sqrt{2}^2 & = & 2 end{eqnarray*}

であるから、 ( a = x = sqrt{2}^sqrt{2} ) 、 ( b = sqrt{2} ) とすれば ( a ) 、 ( b ) は無理数で ( a^b ) は有理数となる。

以上より、 ( a^b ) が有理数となるような無理数 ( a ) 、 ( b ) は存在する。


\( k^n \) の総和 公式の導出


1から100まで足すといくらになるか。

ガウスがこの計算を即座にやってのけたという話はあまりに有名で、整数を順次足す、等差数列を順次足す方法はご存じの方も多いと思います。

よく使われる説明の方法として、石を三角の形に置き、それと点対象な三角の形に石を置くというのがあります。

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証明: 数列が収束する必要十分条件


数列が収束する必要十分条件を証明します。 (ここで証明するのは Cauchy(コーシー)の判定法ではありません。)

まずは収束の定義の確認です。

定義

数列 ( {alpha _n } ) が実数 ( alpha ) に収束するとは、 任意の正の実数 ( varepsilon ) に対応して 自然数 ( n_0 ( varepsilon ) ) が定まって次を満たすことをいう。

[ n > n_0 (varepsilon) Rightarrow | alpha _n – alpha | < varepsilon ]

数列 ( { alpha _n } ) が ( alpha ) に 収束する必要十分条件は次のようになります。

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証明: 無限小数になる有理数は循環小数


無限小数になる有理数は循環小数になることを証明します。 無限小数になる有理数というのは、 有理数になる小数の中で有限小数でないものになります。

割り算の操作をよく観察すればわかりそうなものですが、 感覚的なものを証明としてしっかり書いてみます。

感覚

たとえば 89 を 13 で小数の位まで順次割った場合、 余りは次のようになります。

\begin{eqnarray*} 89 \div 13 & = & 6 \; \textrm{余り} 11 \\ 110 \div 13 & = & 8 \; \textrm{余り} 6 \\ 60 \div 13 & = & 4 \; \textrm{余り} 8 \\ 80 \div 13 & = & 6 \; \textrm{余り} 2 \\ 20 \div 13 & = & 1 \; \textrm{余り} 7 \\ 70 \div 13 & = & 6 \; \textrm{余り} 5 \\ 50 \div 13 & = & 3 \; \textrm{余り} 11 \\ 110 \div 13 & = & 8 \; \textrm{余り} 6 \end{eqnarray*}

7 回目 の割り算で 1 回目 と同じ余りが出てきました。 13 で 割った時の余りの数は 1 から 12 の 12 種類しかありませんから、 13 回 割り算をやっても割り切れなかったら どこかで同じ余りが出ていて循環小数になることがわかります。

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